今日は精神保健指定医の更新講習会です。
精神保健指定医は精神科医療でおもに入院治療を行うときに必要な資格です。精神科医療では医療保護入院や止むを得ず措置入院などの非自発的入院を行ったり、隔離や身体拘束などで患者さんの保護を行ったりする必要が出てきます。その手続のために必要なものが精神保健指定医の資格です。
この資格は5年ごとの更新制であり、その都度講習を受けなければなりません。宿泊したホテル内で行われました。
およそ400人分の席が用意されただだっ広い会場です。場所は指定で、下手の前から2番目でした。私は自由席でもこういう場合一番前の方に座ります。発表の内容がよく分かる上に、講師から見ると前の方というのはあまり注意がいかないからなのです。
テキストが何冊もあります。
今回も医師、弁護士、役人などが授業のような形で解説をしていきます。この講習会はあくまでも法律についての解説が主なので、医学的な内容、つまり治療については議論しません。
講習の内容は、「こういうときはこの規定によってこういうことを行う」などという単純なものではありません。そんなことは本で学べます。ここで扱うのはおもに、正しいとも誤りとも言えないような処遇についてです。そのような事例について議論することによって、法令の背景にある基本的な考え方について学び、運用は実際にはどうすることが望ましいのかを考えていくのです。
例えば以下のような例です。
「自殺の恐れがある患者がいたので保護室に隔離した。このような場合、医師が毎日一回は診察しなければならないと厚労省の告示で定まっている。しかし自殺の恐れは切迫していた。この病棟には監視カメラがないため、看護師が常時30分おきに様子を見に行っていた。この患者は自分の着ている服を裂いて紐を作り、看護師がいないスキを狙ってドアのノブに紐をひっかけて縊死を遂げた。この処遇は適切であったか。」
実は、看護師などが患者を観察すべき回数は法令では定まっていません。しかしながら自死が決行されてしまったわけです。もっと頻回に様子を見に行くべきであったのか、あるいは隔離ではなく身体拘束とすべきだったのか、ほかに方法はなかったか?などと議論していくわけです。
ここでもし講習に参加している医師が「その場合は○○という薬を使えばよかったのではないか」などと発言すると、講師から「今回は指定医の講習会なので法律的な議論をお願いします」とたしなめられるのです。
こういう感じで、朝から夕方までの講習に参加したというわけです。
昼間はこれで潰れてしまいましたので、夜は食事に出かけることにしました。博多駅前は真っ暗です。
地下鉄で姪浜に行きました。
姪浜駅です。
ここから姪浜大通りを南に向かってしばし行くと、
フレンチ居酒屋の「かずちゃん」があります。
中に入ると魚が泳ぐ大きな水槽が目に付きました。この時間はまだ空いていて、カウンター席に座りました。カウンターの向こうにいるのがオーナーシェフの中西和孝さんであることはすぐに分かりました。もうひとり男性がいて、やはり調理をしていました。メニューを見ると居酒屋とは思えないような洒落た料理の名前がたくさん書いてありました。おいしい食事をいただき、酒を飲みました。中西さんは話好きなかたで、とても楽しい時間を過ごすことができました。もちろん、お子さんについての話も聞かせてもらえました。
良い気分で店を出て姪浜駅まで歩き、博多駅まで戻りました。ホテルに戻るとちょうど梅本和泉さんがSHOWROOMをやっており、見てから寝ました。