[ Top > 日記 > 2019年 ]

ジェレミーズギャラリー&カフェ

2019年3月17日

ジェレミー・スタイグ(1942-2016)はジャズ・フルート奏者です。私はアート・ファーマーの「クロール・スペース」での共演者として知りました。ブレスが多く混じった尺八のような音で演奏する人で、しかもそのメロディーがものすごくきれいなのです。スタイグが日本人と結婚し、晩年は横浜に住み、絵を多く描いていたことをあとから知りました。そのスタイグを記念したカフェが元町にあるので行ってみました。

元町の駅を降りて北の方に細い道を歩いていくと、ビルの2階にその店はありました。

ところが、鍵がかかっています。よく見ると、12時からと書いてあります。あと15分ほどなので待つことにしました。

中から日本人の女性が現れました。平野レミをまともに(失礼!)したような感じのかたでした。多分この方がアサコ・スタイグさんです。中にどうぞと言われ、入ってみると、壁にスタイグの絵がいくつもかけてあり、テーブルやソファがありました。ジャスミンティーを注文して、飲みました。

「ジェレミーのことは何でお知りになりましたか?」
「アート・ファーマーのクロール・スペースです」
「それは珍しいですね。以前同じことをおっしゃったお客様が一人いましたよ」

確かに珍しいでしょう。普通はリーダー作を挙げるはずです。

「現在残っている絵はここにあるものがすべてですか?」
「いいえ、5月になるとまた別のものを展示します。でも売れるのは少ししかないんですよ」

スタイグが横浜で暮らしていた。しかも亡くなったのはわずか3年前です。もっと早く知っておくべきでした。

住み慣れたアメリカを離れ、異国で暮らす。しかも年をとってからです。彼は、何を考えて日々を過ごしていたのでしょうか。

このカフェは9月で閉店するそうです。ここをあとにして、AKBの握手会場に向かいました。

注:尺八のような音になるのは交通事故の後遺症で顔面半分の運動障害があったためです。おそらく顔面神経麻痺でしょう。


[ Top > 日記 > 2019年 ]