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長塚節の歌碑巡り

2020年9月21日

今日はHKT48の渕上舞さんの誕生日です。ま、それは置いといて。

郷土の歌人、長塚節の歌碑をいくつか見てきました。

私が長塚節を知ったのは中学生の時です。国語の教科書に和歌があったかどうかは記憶にありませんが、小説「土」を読みました。

節の生涯は以下のようなものです。

1879年常総市の豪農の家に生まれました(父は県会議員)。成績が超優秀で水戸の師範学校を卒業しましたが、精神疾患(今でいう強迫性障害?)のため実家で療養していました。21歳で正岡子規を訪ねてその作風(写生主義)を受け継ぎました。夏目漱石の紹介で「土」を東京朝日新聞に連載しました。一般にはこれが小説の代表作とされています。

1911年喉頭結核を発症。1912年、九州大学で治療を受けるため旅に出ました。私は学生のとき、宮崎市の橘公園で節の歌碑に偶然遭遇しています。1914年、自ら婚約を破棄(ただしこれは婚約者の兄が節を嫌ったからのようです)。みたび九州に行き、1915年2月に九大病院で亡くなりました。

まずは常総市国生にある長塚節の生家と道路の向かい側にある歌碑です。生家が見学できるのは10時からとありましたがいまはまだ8時前。

すがすがしかしかわか葉に天ひヽきこゑひヽかせて鳴く蛙かも

常総市杉山にある歌碑。岡田文化センターの玄関脇です(常総市杉山676番地)。

いまにして人はすへなしつゆ草のゆふさく花をもとむるかこと

同じく常総市杉山のニチワ石下工場の隣にある歌碑。

鬼怒川を夜ふけてわたす水棹(みさお)の遠くきこえて秋たけにけり

これからの季節にぴったりな歌かもしれません。

常総市石下総合運動公園の中です。門を入ってまっすぐ行き、右手にある駐車場の近くです。トリム広場のところ(おそらく)。

我かさとは櫟林にたゆたへる春うなかしてうそ鳥の鳴く

てっぺんに鳥のオブジェがあります。

最後は土浦です。川口ショッピングセンター モール505(土浦市川口1-3)の中にあります。ここは上に土浦ニューウェイが走っています。いわゆる土浦の首都高速です。市内の渋滞を避けてつくばに行くための道路です。

ありました。

草枕旅にしあれば舟うけてことのなぐさに榜ぎめぐり見つ

ちょっとこのあたりについて説明を。

このモールの場所はその昔、川口川という川がありました。しかし私が子どもの頃にはすでに公的な大規模駐車場となっていて、駅近くの店舗(イトーヨーカドー、西友、丸井など。いずれも大規模店だった)などに買い物に行く人たちはみんなここに駐車していました。しかしなぜか駐車場はモール505となり、イトーヨーカドーが駅前に進出しました。関係者は駅前にもっと人を呼びたいと考えたのでしょう。

しかしつくばに大型店が新たにできて、土浦の人たちはつくばに行くようになりました。この辺りは他の地方都市と同じく完全な車社会だから当然です。駅前の店舗群は一気に寂れ、モール505も下火に。真鍋新町にピアタウンができ、上高津にイオンモールができ、駅前商店街は壊滅しました。関係者は壮大な勘違いを犯していたのです。

そんな場所に、歌碑はありました。歌の内容からこの辺りの場所で良いのだと思いますが、さびれていく場所にあるということが、ちょっと寂しい感じがしました。


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