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伊藤左千夫記念公園の長塚節歌碑

2020年10月29日

山武市に長塚節の歌碑があるというので見に行ってきました。場所は千葉県山武市殿台264-1、山武市役所の斜向かいです。総武線の成東駅から1km以内にあります。

目立つのは伊藤左千夫の代表作「野菊の墓」の主人公、政夫と民子の像です。

その奥にストーンヘンジのように並んだ歌碑があります。

その一つが長塚節のものです。

千葉の野を越えてしくれば蜀黍(もろこし)の高穂の上に海あらはれぬ

千葉県にある節の歌碑はここ一箇所のみになります。

この公園自体は他のかたもネットで指摘されていますが「ごくふつうの」公園です。そう言ってしまえば元も子もないのですが、平地で周囲は住宅地ですので、仕方ないと言えましょう。あまり広くもなく、歌碑や解説を読みながら歩いても30分あればじゅうぶんです。ただ、伊藤左千夫に関してかなり詳しい英語の解説があったのには驚きました。

長塚節は伊藤左千夫よりも15歳年下ですが、ほぼ同時期に正岡子規のもとを訪ね、師事しています。節は神経質で病弱、左千夫はエネルギッシュでしたが、仲間として親しく交流していたようです。左千夫は長生きしたのかと私は思っていたのですが、48歳で死んでおり、節より2年早いだけでした。

節がこの辺を訪ねたかどうかは調べていません。上記の歌はいかにも海の見える場所まで来たかのような内容ですので千葉県の海岸まで来たことは間違いないのでしょう。神崎町(利根川沿い)の神崎神社での二人の写真は残っています。

伊藤左千夫は現在の錦糸町の近くで酪農を営むようになり、子規に弟子入りしたのはその後ですから、二人はおもに東京で会っていたものと思います。


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