栃木県唯一の歌碑があります。場所は塩原温泉の中、湯っ歩の里です。那須塩原市塩原602-1にあります。木曜定休です。
ここは足湯の施設です。休業でしたが庭を一回り散策することができました。
入り口からほぼ反対側、箒川の近くまで行ったところ、歌碑がありました。
雲ふかき塩原やまの秋かぜになもなき鳥のひと聲なきぬ
「体調を崩し」とありますが、これは強迫性障害と思われます。強迫性障害の代表はいわゆる「潔癖症」です。過度な手洗いなどの不潔恐怖がみられます。ほかにはスイッチや鍵を何度も確認しないと気がすまないタイプのものや、頭の中できまったことを唱えないと物事が行えないなど、いろいろなパターンのものがあります。現代では抗うつ薬と簡易な精神療法でかなり改善しますが、この時代、治療法はほぼなかったと考えて良いでしょう。日本独自の治療法である森田療法もまだ完成していませんでした。
しかしながら、このような疾患はストレスを避ければある程度改善することもよく知られています。実家が大金持ちだったとはいえ、働かずにいる節に対する圧力はおそらくあったでしょう。そういう点からいえば転地療養は意味があったと思います。