Windowsを使ってデジタルモードFT8を運用する方法はネット上に溢れています。しかしMacユーザーである私はどうしてもMac上で動かしたいと思い、実行してみました。
デジタルモードに関しては無線機、インターフェース、コンピューターの組み合わせが千差万別で、統一的な設定方法がありません。同じような環境のかたの参考になればと思い、記載しました。
さて、私の環境は以下のとおりです。
ソフトやドライバーをインストールしていくわけですが、多くのページには「インストールしてからハードを接続するよう」書いてあります。しかし私はすべて接続したままやってしまいました。動作しましたが、良い子はマネしないでください(笑)
SCU-17のマニュアルのとおりで問題ありません。
USBドライバーのインストールが必要になります。 https://www.silabs.com の中にある http://www.silabs.com/Support%20Documents/Software/Mac_OSX_VCP_Driver.zip をダウンロードし、インストールします。
ここは他人からの情報の丸パクリなので申し訳ありません。
インストールしてMacを再起動します。
公式ページhttps://physics.princeton.edu/pulsar/k1jt/wsjtx.html>からMac用を拾ってきてインストールします。
ページの下の方にある部分にこのようなリンクがあります。
Macintosh macOS:
Installation instructions for version 2.3.0 can be found here in the User Guide.
Version 2.3.0 for macOS 10.13 and newer: wsjtx-2.3.0-Darwin.dmg
インストール自体は問題なく行くと思います。
ところがいざ WSJT-X を起動しようとすると「共有メモリがなんたらかんたら」という表示が出て立ち上がりません。他の方々のページでは Unable to create shared memory segment と英語のメッセージが出るようですが、私の場合は日本語でした。
実は解決方法があります。ダウンロードした wsjtx-2.3.0-Darwin.dmg を開いたときに、sysctl.conf というファイルがあるのがわかります。UNIXな人ならピンときたでしょう。root になってこれを /etc にコピーすれば良いのです。
いったん sysctl.conf をデスクトップにコピーして以下のようにします。 最初のコマンドラインのあとで root のパスワードを求められます。
% sudo cp Desktop/sysctl.conf /etc # /etcにコピーする
% sudo chmod 664 /etc/sysctl.conf # アクセスモードの変更
% sudo chown root:wheel /etc/sysctl.conf # オーナーの変更
ちなみに sysctl.conf の中身はこのようになっています。
kern.sysv.shmmax=104857600 # ここが重要
kern.sysv.shmmin=1
kern.sysv.shmmni=128
kern.sysv.shmseg=32
kern.sysv.shmall=25600
Macを再起動します。
WSJT-Xを立ち上げて設定します。
「WSJT-X」 -> 「設定」メニューを開きます。
「一般」タブでは「局の詳細」を入力します。コールサイン、グリッドロケーター、IARUのリージョンを入れます。ほかはとりあえずデフォルトとします。
「無線機」タブです。ここは重要です。
無線機は正しく入れて大丈夫です。以前のバージョンではFT-897Dについて、FT-857を指定しないと動かないものがありましたが、いまはそのものズバリでOKです。
シリアルポートは「/dev/tty.SLAB_USBtoUART」とします。
【追記】
2021年3月25日の時点で、このシリアルポートでは無線機に接続できません。
「/dev/tty.SLAB_USBtoUART6」にしたら動作しました。
理由は不明です。OSのアップデートが原因かもしれませんがあくまで推測です。
ボーレートは無線機に合わせます。FT-897のメニューモード19の値と一致させます。ここでは38400bpsとしました。データビットは8、ストップビットは2。ハンドシェイクはデフォルトです。
PTT方式はCATとします。
モードはUSB。
これ以外はデフォルトのままでかまいません。
「オーディオ」タブでは入力出力とも「USB Audio CODEC」とします。
とりあえずはここまででかまいません。
メニューモード19と20の設定を行います。
メニューモード19ではCAT通信のボーレートを指定します。いちばん速い「38400」とします。またメニューモード20は「CAT」とします。背面の端子をCAT用に使うためです。
ここまで設定できたらトランシーバーの周波数をFT8が使用されている場所合わせ、WSJT-Xの「モード」メニューからFT8に合わせ、受信してみます。さらに、「設定」メニューの「無線機」タブからCATが動作すればOKです。この場合、無線機のチューニングノブをを回すとソフトの表示も変わります。