[ Top > 日記 > 2021年 ]

カウンターポイズ付き釣り竿アンテナ(ロングワイヤー)

2021年5月2日

まず最初にお断りしておきます。今回のものは送信を考慮していないためアマチュアバンドでのインピーダンスマッチングは取っていません。

はじめに

21MHzのインバーテッドVとコメットのCHA-250BXIIを取り外しました。その理由としては、

などがあります。そのため、受信を中心とするため、簡単に上げ下ろしのできるアンテナの使用を考えて、ロングワイヤーアンテナを新設することにしたのです。

構造と作製

アンテナの構造は以下のとおりです。

市販の6.3mのグラスファイバー釣り竿をエレメントの支持線として使いました。エレメントはサガ電子の製品で、結束バンドで釣り竿に固定しました。なおこのままではエレメント長が短すぎるので、3.5mのグラスポールをアンテナマストとして使いました。これに整合器(大進無線、DU-450)を取り付けました。エレメント長は10mにちょっと足りない程度です。

アンテナは屋上に取り付けましたのでアースとして10m程度の導線を2本とりつけ、屋上の手すりに這わせました。

実際の写真を示します。

給電点付近です。仮止めのため汚いですが。

使用感

実際に受信してみました。中波放送は従来の広帯域アンテナより強く入感するようになりました。Sで1程度以上上がった感じです。22時現在、福岡のKBC朝日放送(1413kHz)を聴いていますが、59+で入感しています。以前に比べればQSBの谷間が浅くなりました。ただしノイズもありますし、SINPOでは54444です。なお、NHK第一放送や第二放送に絡んだ混変調が生じるようになりました。これは無線機に直結した手動のアンテナチューナー(コメット CAT-300)でカットできます。

HFに関しても感度は上がりましたが、ノイズは増えて、実際の交信にはちょっと不利かなという感じです。もっとも電波は出せません。

CAT-300で無理やりチューニングをしたところ、21MHzと28MHzで見かけのマッチングが取れました。しかし同軸とアンテナの不整合はそのままですから、これで波を出しても極めて効率の悪いことになるでしょう。

エレメント長から考えると7MHz付近ではグランドプレーンとして動作するように思われます。しかし実際に波を出してみたところ、マッチングはまったく取れませんでした。インピーダンス変換が行われているので当然です。同軸を直接繋げばもう少し何とかなったかもしれません。これはいずれ実験してみるつもりです。

問題点がいくつかあります。

エレメントの固定は結束バンドを使用しました。DIY店で20年持つという謳い文句のものを買いましたが、問題は耐用年数ではなくしっかり固定できていないことです。接着剤やテープなどを使っていても風雨や直射日光で劣化してしまう気がします。ガス管を固定する金属バンドも使えそうですが、先端の細いところではやはり無理があります。問題は釣り竿が糸を通す穴(ガイド)がないタイプであることで、ガイド付きのほうが良いと思います。

今回はカウンターポイズ2本でしたが、もちろん理想はなるべく多くの導線を張り、等電位面を作ることです。もっと張ったほうが良いことはわかりますが、実際には難しそうです。

今回のアンテナは送信用としては使い物になりませんが、BCL、SWL、ユーティリティーの受信にはかなり役立ちそうです。


[ Top > 日記 > 2021年 ]

無線受信のページに戻る