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FreeBSD 7.2 のインストール
2009年10月1日
FreeBSD 7.2 をネットワークからインストールした.その具体的な手順を示す.ネットワークからインストールすると,CD-Rの作成が1枚で済む.
インストールCDの作成
- CD-Rを作成できる環境を用意する.WindowsやMacで可.
- Japan FreeBSD Users Group(http://www.jp.freebsd.org/)のサイト内にある,日本にある FreeBSD 関連のサイトのページに行く.
- 「FTPサービス」の欄にある,「本家公式配布物」のいずれかのサイトをクリック.
ディレクトリが表示されるので,ISO-IMAGES-i386 → 7.2 とクリックしていき,7.2-RELEASE-i386-bootonly.iso をダウンロードする.
- このファイルでCD-Rを焼く.
なお,ネットワークからでなく,CDから直接インストールしたい場合は,同じページにある 7.2-RELEASE-i386-disc1.iso 〜 7.2-RELEASE-i386-disc3.iso の3ファイルを1枚ずつCD-Rに焼いて,インストールに使用すればよい.この場合,以下のインストールにおいて,順番が多少変わるが,やり方自体は同様である.たとえばネットワークインストールでない場合は,ネットワーク関連の設定が後回しになる.
地域に関する設定
- CDを入れてマシンを再起動する.画面に Welcome to FreeBSD ! と出るのでそのまま待つか,Enterキーを押す.
- Country Selection 画面が出る.「110 Japan」をカーソルキーなどで選択してTabキーを押して下にある「OK」を選択,Enterキーを押す.
カーソルキーで項目を選択 → TabキーでOKなどを選択 → Enterを押す,という操作は,決まり切ったパターンとして頻繁に使われる. |
- System Console Keymap 画面が出る.「Japanese 106」を選択する.
パーティションの設定
- FreeBSD/i386 7.2-RELEASE - sysinstall Main Menuが出る.Standardを選択してSelectを選択する.
- Messageが出る.DOSのfdiskコマンドのようなものをこれから操作してもらいますよ,などと書かれている.そのままEnterを押す.
- Messagesが出る.WARNING: 云々と表示される(ディスクに関する警告であるので,この画面は表示されない場合もあるかも知れない).通常はそのままEnterを押す.
- FDISK Partition Editorが表示される.現在ハードディスク上にあるパーティションをDキーですべて消して,unusedにする(ほかのOSを入れない場合).次にAキーを押すと,ディスク全体がFreeBSD用に確保される.Qキーを押して終了.
- Install Boot Manager for drive adN? 画面が出る(Nは数字であるが,マシンによって違う).カーソルがBootMgrにあり,OKが反転しているのを確認し,Enterを押す.
- Messageが出る.いま作ってもらったパーティションの中に,さらにBSDパーティションを作ってもらいます,特別な指定がなければAコマンドで自動的に作れますよ,などと書いてある.Enterキーを押す.
- FreeBSD Disklabel Editorが出る.ここではパーティションのそのまたパーティションのようなものを作る.Aキーを押すと自動的にパーティションが作られる.なおCキーを使って手動で作っても良い.たとえば以下のようにする.
- Cキーを押すとValue Requiredが出る.ここではスワップ領域をまず作る.メインメモリ容量の2倍程度の数字を入れる(例:メモリが2ギガバイトなら4Gと入力).Enterを押す.Please choose a partition typeと出る.カーソルキーでSwapにしてEnterを押す.
- またCキーを押す.ここでは残りをすべて一般ファイルシステムにするので,そのままEnterキーを押す.FS(File System)にカーソルが合っていることを確かめて,Enterキーを押す.
- Value Requiredが出る.ここには/(スラッシュ)のみ入れ,Enterキーを押す.残りの要領がすべて/(ルート領域)に確保されたことがわかる(FreeBSDではLinuxと違って/bootをパーティションとして確保する必要はない).
- Qキーを押す.
基本システムのインストール
- Choose Distributions画面が出る.ALLにカーソルを合わせる.Enterキーを押す.
- User Confirmation Requested画面が出る.ここでは「portsを入れますか?」という意味のことを訊いてくる.Yesが反転していることを確認して,Enterキーを押す.
- またChoose Distributionsに戻る.ここでTabキーを押して,下のOKを反転させ,Enterキーを押す.
- Choose Instlation Mediaが出る.2 FTP または 3 FTP Passive を選択してEnterキーを押す.ルーターなどでファイアウォール機能を使っている人は,Passiveを選択した方がよい(FreeBSDを使おうという程のスキルを持った方には余計な注意であろう)
- Please select a FreeBSD FTP distribution site画面が出る.適当なftpサイトを選択してEnterを押す.Japanのサイトは何ページも下にスクロールするとやっと出てくる.
- Network interface information required が出る.ここでネットワーク関係を設定をする必要がある.
- Network interface information required画面が出る.認識されていれば一番上にEthernet Cardのデバイス名が出るであろう.私の場合は一番上にem0が認識された(Linuxと異なり,デバイス名はカードのメーカーによって違う).OKの反転を確かめて,Enterキーを押す.
- User Confirmarion Requested画面が出る.IPv6を使うかの設定を尋ねている.使わなければNoでEnterキーを押す.
- User Confirmarion Requested画面が出る.DHCPを使うかを尋ねている.私の場合は各マシンに固定プライベートアドレスを割り振るので,ここはNoとしてEnter.
- Network Configuration画面が出る.
- Host:host1.myhouse.netなど適当な名前を入れる.
- Tabキーを押すと,Domainは自動的に入る.
- Tabキーを押してデフォルトゲートウェイのアドレスを入れる.つまりルーターの内側のインターフェースのアドレスである.たとえば192.168.0.1など.
- Tabキーを押す.Name Server.自分が入っているプロバイダのDNSのアドレスを入れるか,自分でネームサーバーを立てていれば,そのアドレスを入れる.
- Tabキーを押す.IPv4 Address.つまり自分のマシンのアドレス.192.168.0.100など.
- Tabを押すとNetmaskは自動で入る.
- Extra options to ifconfig.もし何かあれば入力してEnterキーを押す.通常は必要ないであろう.OKが反転するのでEnterを押す.Looking up host XXXX.... というメッセージがしばらく表示されるかも知れないが,じっと待つ.
- User Confirmation Requested画面が出る.Last Chance ! 云々とある.インストールを本当に行ないますかという確認である.Enterキーを押すとインストールが始まる.作業の過程が文字で表示される.しばし待つ.
- Congratulations ! 云々と出る.Enterキーを押す.
ネットワークサービス関連の設定
- User Confirmarion Requested画面が出る.このマシンをゲートウェイとして使うかという問いかけ.Noの反転を確認してEnter.
- User Confirmarion Requested画面が出る.inetとnetwork serviceの設定である.Noにカーソルを移動してEnter.
- User Confirmarion Requested画面が出る.SSHのログインを許すか,という設定.許す場合はYesとしてEnter.
- User Confirmarion Requested画面が出る.Anonymous FTPのアクセスを許すか,という設定.ふつうはNoにしてEnterでよいだろう.
- User Confirmarion Requested画面が出る.NFSサーバーにするか.UNIXにおけるファイル共有で,共有される側になるか,という設定.私の場合はNoを選んでEnter.
- User Confirmarion Requested画面が出る.NFSクライアントにするか.YesにしてEnterを押した.もちろんこれも管理者の好みによる.
コンソール等の基本設定
- User Confirmarion Requested画面が出る.コンソールの設定をするかという問い.YesとしてEnter.
- System Console Configuration画面が出る.Keymapにカーソルを合わせ,Enter.
- System Console Keymap.画面を下にスクロールしてJapanese 106に合わせ,Enter.
- System Console Configuration画面に戻る.Saverにカーソルを合わせ,Enterキーを押す.
- System Console Screen Saverが出る.好きなスクリーンセーバー(といっても文章だけでは具体的にわからないのが玉に瑕だが)を選び,Enter.
- System Console Configuration画面に戻る.Exitにカーソルを合わせ,Enter.
- User Confirmarion Requested画面が出る.タイムゾーンの設定だ.Yesを選んでEnter.
- Select local or UTCが出る.世界協定時(グリニッジ標準時)に合わせるのか,と問うている.NoでEnter.
- Time Zone Selector画面が出る.5 Asia を選択.
- Countries in Asiaが出る.下にスクロールし,18 Japanに合わせてEnter.
- Confirmation画面が出る.「JSTでいいですか?」 Enterを押す.
- User Confirmarion Requested画面が出る.Linux互換機能を入れるか,と訊いている.とくに必要がなければNoを選んでEnterでよい(もしYesを選択するとふたたびダウンロードすべきサイトを選択させる画面が出て,それを選ぶとインストールが始まる).
- User Confirmarion Requested画面が出る.マウスの設定.PS/2マウスを使っていればYesとしてEnter.
- Please configure your mouse画面が出る.マウスを動かすとカーソルが動くことを確認し,YesとしてEnterキーを押す.
- Please configure your mouseに戻る.X Exitにカーソルがあることを確認してEnterを押す.
アプリケーションのインストール
- 基本的なアプリケーションやユーティリティーのインストールを行う.
User Confirmarion Requestedが出る.Enterを押す.
- Packages Selectionが出る.各パッケージはジャンル別になっている.以下,インストールの順序は,
- ジャンルを選択(Enterキー)すると各パッケージを選ぶ画面が出る
- インストールしたいパッケージにスペースキーでXをつけていく
- Tabキーを押してOKを反転させ,Enterキーを押す.
- 次のジャンルを選択する....(以下同じ)
という作業を繰り返していく.
- なお,何をインストールしておけばよいかについては決まったものはない.一般的にはなるべくアプリやユーティリティーのインストールははじめからは行わず,必要になったときに行えばよい,という考え方がふつうであるようだ.
- すべて選択し終わったら,Package Selectionの画面でInstallを反転させてEnterを押す.Package Targetsで選択したものの一覧が出るので,Enterを押す.すると実際のインストールが始まる.
ユーザー登録
- User Confirmarion Requestedが出る.一般ユーザーを作る.Enterを押す.
- User and group managementが出る.Userを選んでEnter.
- User and group managementが出る.各項目はTabで移動する.
- Login ID:好きなユーザーネームを入れる.
- UID:1001でよい.
- Group:wheelとする.こうするとこのユーザーはrootになることができる.
- Password:好きなものを入れる.
- Full name:入れても入れなくてもよい.
- Member groups:空欄のまま.
- Home directory:自動で入る.なおFreeBSDでは/usr/home/hogehogeが真のホームディレクトリである.Linuxと同様に/home/hogehogeと指定してもホームディレクトリに到達できるが,これはリンクが張ってあるからである.
- Login shell:/bin/tcshあたりがよいだろう.
- 最後はOKを反転させてEnterキーを押す.
- User and group managementに戻るので,X Exitを選択してEnter.
- Messageが出る.そのままEnter.
- rootのパスワードを入れる(2回).
- User Confirmarion Requestedが出る.
8. 追加設定
- FreeBSD Configuration Menuが出る.一カ所だけ修正する.
- 下にスクロールし,Networkingに合わせてEnterを押す.
- Network Services Menuが出る.Mailにカーソルを合わせ,Enter.
- Mail Transfer Agent Selectionが出る.Noneを選び,Enterを押す.
- Network Services Menuに戻る.一番上のX Exitを選択してEnter.
- FreeBSD Configration Menuに戻る.一番上のX Exitを選び,Enter.
- sysinstall Main Menuに戻る.一番下の行,X Exit Installを選び,Enterを押す.
- User Confirmarion Requestedが出る.Yesを選択し,Enter.
- マシンが再起動するので,CDを取り出しておく
以上でめでたくインストールが終了した.
インストール時のTips
- FreeBSDにおいて個々のアプリケーションをインストールする場合,Packagesから行う方法と,portsから行う方法とがある.どちらも一長一短である.Packagesからのインストールは手軽だが,最新のものとは限らず,またportsからインストールしたアプリと依存関係がうまくいかないことがある.しかしportsのみからインストールしようとすると時間と手間がやたらにかかる.そこで私は,アプリは原則として更新したportsからインストールするという基本方針を立て,以下のようにシステムを構築するようにした.
- まずシステムをインストールするとき,フォントが必要であればPackagesからすべて入れてしまう.フォントは依存関係があまり問題にならないと考えたからである.同じく,Packagesから cvsup と portupgrade を入れておく(cvsup と portupgrade はデフォルトではインストールされていないので,必ずPackagesもしくはportsから入れておく必要がある).
- システムを初回起動して,cvsup を使ってportsを最新のものにする.その詳しいやり方はこちら.
# cvsup ports-supfile
- 以下のコマンドを実行し,portsの登録情報とpackageの依存情報を修正する.
# portsdb -Uu
# pkgdb -F
なお,portsdbはものすごく時間がかかる.
- cvsup と portupgrade を最新のものにしておく.
# portupgrade -R cvsup
# portupgrade -R portupgrade
- あとは欲しいアプリをportsからインストールしていく.firefox など大物ソフトは時間がかかるが,安定性のためだと思って我慢する.
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