第一電波工業のダイポールアンテナW-8010を平屋根の上に設置しました。現段階ではまだ調整の余地がありますが、なんとか使えそうな状態にできましたので報告します。
W-8010はHFの5バンドに対応したワイヤーダイポールで、3.5/7/21MHzのエレメントが片側10.75m、14/28MHzのエレメントが片側4.2mとなっています。21MHzと28MHzはフルサイズになっています。できるだけ色々なバンドに出たいと考えてこのアンテナを選びました。
アンテナそのものは必要な部品がすべて入っており、説明書通りにおこなえば組み立ては簡単でした。1時間で完成すると思います。なお、ここでは追加の部品として以下のものを用意しました。
ロケーションはコンクリート作りの建物の平屋根で、ここまで10mの高さがあります。しかし、広さについては東西の幅が8mしかないため、エレメントは折り曲げることとしました。このような形となります。
メインマストは4mのグラスファイバーポールです。そこから14/28MHzのエレメントはクレモナロープを介して手すりに繋ぎました。逆Vになっています。
長い3.5/7/21MHzのエレメントは手すりにグラスファイバーの釣り竿(3mにしてあります)を支柱として使います。これに滑車をつけて、左右ともエレメントを南向きに90度に折り曲げます。この滑車は7MHzのコイルと21MHzのコイルの間にあるので、7MHzのエレメントを滑車に通したあと支柱を立てました。
エレメントの終端も同じ長さのグラスファイバーの棒に接続します。ここにも滑車がついています。
終端のロープにはいずれもターンバックルがついていて、張力調整や取り外しが簡単にできるようにしてあります。
調整はまず終端のロープを緩め、エレメントを低い位置におろします。コイル及び終端から調整用エレメントが出ていますので、これを切っていきます。なお、21MHzの調整は7MHzのコイルの重みでなかなか垂れ下がってくれないので、コイルを手で挙上したりマジックハンドを使ったりと苦労しました。
今回はエレメントが低いため、無調整ですと共振周波数は周囲の影響を受けてかなり低くなりました。たとえば7MHzだと6.4MHzあたり、28MHzだと27.3MHzあたりになっていました。このあたりを知るにははアンテナアナライザーがあると便利です。
調整した結果、現時点でのSWRはこのようになっています。雨天時は共振周波数が下がります。
ハイバンドは問題ありませんが、ローバンドはもう少し調整の余地があります。
アンテナの地上高が低い場合、共振しているのにどうしてもSWRが下がらないときがあります。特にローバンドで顕著です。これはリアクタンス分が残っているためなので、給電点をすこしずらします。片方のエレメントを短くして、そのぶんもう片方を長くするのです。今回もこの方法を繰り返しました。ハイバンドはそのような必要はありませんでした。
私は自作の7MHzインバーテッドVでもこの方法を使いましたが、そのときは片方を50cmほど切り、それをもう片方に繋いでマッチングが取れました。
私はアンテナの設営が面倒な年齢になってきましたので、高く張ることはせず、一人で調整や撤去ができるように低くしていました。もちろん打ち上げ角は高くなってしまいますが、やむを得ません。
ワイヤーアンテナは廃棄するときにゴミの量が少なく環境には優しいと言えます。
片方10メーターのアンテナは昨今の住宅事情では難しいのです。私もエレメントを折り曲げましたが、それでも国内には十分飛んでくれています。今日は全市全郡コンテストでしたが、応答率は悪くありませんでした。
このアンテナはBCLにも使っていますが、遠距離の国内中波局が良好に入感します。