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恋愛禁止についてあらためて問う

2022年12月2日

今回のいわゆる岡田奈々さんの件については、事実関係がどうなっているのかはっきりさせる必要がある。しかしこれに関しては運営の常で、いまのところ公式な発表はない。今後発表があったとしても、これまでどおりひどく具体性に欠けるものになるだろう。

今回の件を私はこう考える。まず銘記すべきは「誤ったことをした人間はメンバーにはいない」ということだ。だから何の処分も必要ない。

報道によると岡田奈々さんが男性と付き合っている(らしい)【ここまでは推測】。これが騒ぎになり、向井地美音さんがAKB48グループが恋愛禁止であるのかどうか運営に問い合わせた。その結果恋愛禁止ルールはないという返事を得て、これを発表した【これは事実】。

岡田奈々さんが男性と付き合っていることが事実だとしても、恋愛禁止ではないのでまったく問題ない。多くのファンが「恋愛禁止のはずなのに」と文句を言っている。しかし禁止ではないのだから、そこを前提として議論しないと話がおかしくなる。

今回なぜ騒ぎになったのかと言えば、ファンがAKB48グループを恋愛禁止だと考えていたからだ。これまでも男性との関係があったため活動辞退となったメンバーは確かにおり、あたかも恋愛禁止のルールがあるかのようであった。しかし実際には男性と関係があってもスルーしたメンバーも多く、ルールがあるのかどうかはっきりしないというのが実情であった。ちなみに秋元康は過去に「自分は恋愛禁止と言ったことはない」の述べている。

おそらく恋愛禁止というのはなんとなく広まっていた慣習で、なにか起こるたびに都合よく利用されていた、というのが正解だろう。

都合よく利用、というのは、たとえばリストラの理由づけとして、ということがある。また、峯岸みなみさんや指原莉乃さんのように、たまたま恋愛が発覚したことを口実に、表向きは罰としてだが、異動させて後輩の指導に当たらせた、という例もある。

また、宣伝に利用されていたことも大きい。「恋愛禁止ルール」にはファンに「メンバーは自分のこと(だけ)を思ってくれている」と錯覚させる機能がある。これによってファンがメンバーをより強く応援するようになるのである。だがこれはあくまでファンは錯覚しているだけである。このあたりのことは「アイドルに恋愛禁止を求める人の特徴」ですでに述べた。

今回の最大の問題点は運営が恋愛禁止があるかないかを明示せずグループを経営してきたことである。恋愛禁止ルールがないことがはっきりしたのだから、以下のようにすべきというのが私の考え方である。

こういうことはほんらい総合プロデューサーが方針を表明すべきことなのだが、彼は本質的にオタクであって政治には弱そうなのでたぶん期待できないだろう。新潟のときのように。

付け加えると、運営が過去に不利な取り扱いをしたメンバーに詫びる場合、運営側の当事者が恋愛禁止と認識していたのであれば、損害賠償までは必要ないだろう。法学でいう「事実の錯誤」に当たるからである。損害賠償をしたほうが良心的であるとは思うが。


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